江東区亀戸の税理士|ひろしま会計グループ

0120-58-2571営業時間:9:00~18:00(土日祝除く)

ひろしま会計グループ

スタッフのモチベーションを高める方法とは?

中小企業の成長を考える上で、限られたスタッフの仕事に対するモチベーションはとても重要です。特にルーチンワークが多い仕事だとただ同じ仕事を繰り返すだけになりがちです。いかにスタッフのやる気を引き出すのか?経営者のリーダーシップが問われます。

 今号ではスタッフのモチベーションを高めることを考えるにあたって、知っておいた方が良いハーズバーグの「動機付け衛生理論」をご紹介いたします。

ピッツバーグ大学やユタ大学で教鞭を執った臨床心理学者ハーズバーグは、人間には「不快を回避する欲求(衛生要因)と「成長し自己実現を求める欲求(動機付け要因)の二つがあると考えました。

 「不快を回避する欲求」には「会社の経営方針」「上司の管理方法」「給与」「対人関係」「作業環境」などがあります。これらに問題があると、人は「不満」を感じます。仕事に対するモチベーションは下がります。ただし、問題が無いからといって満足を感じることはありません。

 給与が低いことは不満に繋がりますが、給与を上げたとしても不満が無くなるだけで積極的なモチベーションには繋がりません。「不満」の反対は、「満足」ではなく「不満ではない」ということです。

 人は病気になって初めて健康のありがたみを感じますが、健康な時にそれを感じることが少ないのと同じです。衛生状態の改善が病気の予防には役立ってもそれだけでは丈夫にはなれないのと同様なので、彼はこの種の要因を「衛生要因」と名付けました。

一方、「成長し自己実現を求める欲求」には「達成」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」などがあります。これらが満たされると、人は「喜び」を感じ、仕事に対するモチベーションは高まります。ただし、満たされなかったからと言って、不満に感じることはあまりありません。「喜び」の反対は、「不満」ではなく「喜びがない」ということです。たまたま入ったお店の抽選くじで海外旅行が当たればとても嬉しく感じますが、当たらなかったとしても不満を感じることがないのと同じです。人間が丈夫になるためには、衛生状態の改善のほかに適度な運動が必要です。

この二つの要因を別々のものとして捉えることがポイントです。スタッフ一人一人に対して、仕事に対する「不満」「喜び」があるかどうかを考え、「不満」があれば取り除き、「喜び」がなければ「どうすれば喜びを感じられるか?」を考えることが大切です。ハーズバーグは、この点、切り札として「職務充実」という概念を重視しました。従業員の達成感や充実感、仕事の手ごたえ、遣り甲斐を、限られた経営資源で向上させていくためにはどうしたら良いかということですが、そのためには、今の職務よりも難易度の高い仕事に挑戦させる、上司が持っていた権限を部下に委譲する、本人が希望していた仕事に配置する、表彰制度を設けるなどの方策です。

 どれも当たり前のことのように日々、語られていますが、58年前にハーズバーグが発表したにもかかわらず、なかなか簡単に実現できないからこそ、現代でも繰り返し論じられているのです。職務充実の個別の方策は、経営者が自ら考え、実行するほかありません。自分が若かった頃、上司・先輩にどのようにしてもらったときが嬉しかったか、といったあたりに良いアイデアがつまっていないでしょうか。

税理士 久保 康高

初回相談無料 メールでのご相談お申込みはこちら

無料相談受付中