電子納税とは、国税の納付手続を自宅やオフィスからインターネットを経由して電子的に行うことです。従来のように金融機関の窓口まで出向く必要がないため、金融機関の場所や受付時間の制約が少なくなるなどのメリットがあります。ただし、電子納税では、領収書は発行されませんので、領収書が必要な方は従来どおり、窓口に納付書を持参して納付を行ってください。

納付方法は、（１）インターネットバンキング等による電子納税と（２）ダイレクト納付による納付手続があります。

（１）インターネットバンキング等による電子納税

インターネットバンキング等による電子納税には、①登録方式と②入力方式の2つの方法があります。

①登録方式による納税手続

登録方式では、全税目の納税が可能です。また、本税に加えて、附帯税（加算税、延滞税等）についても、電子納税が可能です。

税目、納付の目的となる課税期間、申告区分、納付金額等の納付情報データ（納付情報登録依頼）を自社又は会計事務所が作成し、e-Taxに送信して事前に登録をします。再度、e-Taxにログインしメッセージボックスの受信通知から納付区分番号等を取得します。その後、インターネットバンキングにログインし、税金・各種料金払込のメニューに利用者識別番号、納税用確認番号、納付区分番号を入力して送信します。

また、源泉所得税及復興特別所得税の納付手続（自主納付分）は、この登録方式により、納付書に記入するのと同様に徴収高計算書データをe-Taxソフト（WEB版）等を使用して作成し納付手続を行います。

②入力方式による納税手続

入力方式は、申告所得税、法人税、地方法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税及び復興特別所得税、復興特別法人税の6税目（源泉所得税は☓）の納付が行えます。入力方式は、事前に納付情報の登録を行っていないため、インターネットバンキング等を利用して納付指図をする際に、登録方式において使用する納付区分番号に対応する納付目的コード（税目番号、申告区分コード、元号コード、課税期間を組み合わせた番号）を利用者の方自身で作成して、納付金額と併せて入力していただく必要があります。登録方式と違いe-Taxを必要としないことがメリットとなります。 

（２）ダイレクト納付による納税手続

ダイレクト納付では、事前に税務署に届出等をしておけば、e-Taxを利用して電子申告等又は納付情報登録をした後に、届出をした預貯金口座からの振替により、簡単なクリック操作で即時又は期日を指定して納付することが可能です。「申告等データ」又は「納付情報データ」の送信後、メッセージボックスに格納される受信通知を確認し、「今すぐに納付される方」又は「納付日を指定される方」のいずれかを選択して納付します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（伊藤　淳二）