社内で現場リーダーが育ってこないという悩みをよく耳にします。今号では、社長様を含めた経営に関わるリーダーが自社の方向性を確認する上で必要な視点と組織の成功循環モデルについてご紹介いたします。
まず、リーダーとはどんな人でしょうか。マーシャル・ゴールドスミスUCLA博士は「他人と共に目標達成に向けて進む人」と定義付けており、「他人とともに」という言葉が大事だと言っています。
次に、リーダーとしてどんな視点が必要でしょうか。以下の4つの目をバランスよく持つことが重要ではないでしょうか。
①虫の目・・・現場(当事者)目線で近い所を、複眼を使って様々な角度から詳細に注意深く深く見る目
②鳥の目・・・経営者的な目線で虫では見えない広い範囲を、高いところから大掴みに会社全体を俯瞰する目
③魚の目・・・世の中の流れ(変化・異常点)を敏感に感じ取り、先を読む目
④コウモリの目・・・物事を反対側から見たり、普通の見方に捉われず想像を膨らませたり、固定観念を捨てて見る目
さらに、現場に一番近いリーダーは何に注意して、目標達成(結果達成)すればいいのでしょうか。
ダニエル・キムMIT教授は、組織の成功循環モデルとして、人間関係の質→思考の質→行動の質→結果の質→人間関係の質のサイクルであると提唱しています。
☆グッドサイクル | ☆バッドサイクル |
①互いに尊敬し、一緒に考える(関係の質)
②気付きがある、面白い、当事者意識(思考の質) ③自分で考え、自発的に行動する(行動の質) ④成果が得られる(結果の質) ⑤信頼関係が高まる(関係の質) |
①結果がすべて主義(結果の質)
②対立、押し付け、命令する(関係の質) ③面白くない、受身で聞くだけ(思考の質) ④自発的・積極的に行動しない(行動の質) ⑤成果があがらない(結果の質)
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リーダーの資質(潜在能力)を見抜いた後は、目に見えない「人間関係の質」から見直してみてはいかがでしょうか。 税理士 久保 康高