私共がお付き合いさせていただいている、多くの中小企業の社長様は、其々独自の方法で会社経営に取組んでおられます。
そこで、社長様の経営のタイプを「攻めの経営」と「守りの経営」という視点で、日頃感じていることを述べさせていただきます。
- 「攻めの経営」の例
a)新規顧客の獲得
①ターゲット顧客の再選定
事業者(規模・業種)、個人(性別・年齢・ライフスタイル)・・→顧客を再定義
②アプローチ方針の検討
チャネル、広告媒体(DM・ポスター・SNSetc)、アプローチの方法(訪問・TEL・展示会・セミナー)、コミュニケーション内容・・・の検討
b)生産力の強化・・→設備の増設、生産現場の拡張、新技術の導入・・・の検討
c)人材の確保・教育・・→事業拡大を目指して人材の採用と戦力化を図る
d)新事業分野への進出・・→新商品開発、成長事業分野への進出を検討
e)事業買収・・→必要な顧客、販売拠点、人材、ノウハウなどを一括して取得できるメリットと既存事業とのシナジー効果を検討
以上のように、既存のビジネスモデルに留まらず、新しい可能性を考え開拓するのが「攻めの経営」です。
- 「守りの経営」の例
a)既存顧客の維持・・→既存顧客が離れないように商品やサービスのクオリティーを維持したり、満足度を高めるなどの対策を検討
b)顧客一人あたりの単価を高める・・→既存顧客に対して別な商品・サービスを提供できないか等を検討
c)コスト削減・・→内製化か、外部委託かを生産性を考慮して比較検討
以上のように、「守りの経営」は攻めのプランをあれこれ考えたりせず、慎重に駒を進め、経営体質を強化するための諸施策は即実行、結果を出します。
- 「攻めの経営」・「守りの経営」のメリット・デメリット
「攻めの経営」は会社の成長という将来の夢があり、従業員のモチベーションも上がるでしょう。しかし、攻める一方ではリスクを伴うでしょう。「守りの経営」は大きな数字のブレはありませんが、守り一辺倒では事業拡大は望めませんし、将来的にじり貧になる可能性さえあります。社長様によって攻める経営を好むタイプ、守りの経営を好むタイプに分かれますが、攻守のバランスが取れているのが理想です。
そのためには、日頃から経営を考える定期的な時間の確保、相談相手も必要でしょう。
また、繰返し行うシミュレーションや計画・実行の管理も大切だと思います。
税理士 廣島 清量