国税庁は平成29年11月13日に平成28年事務年度(平成28年7月~平成29年6月)における相続税の調査の状況について発表しました。
相続税の実地調査は、平成26年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等について実施しました。
実地調査の件数は12,116件(平成27事務年度11,935件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は9,930件(平成27事務年度9,761件)で、非違割合は82.0%(平成27事務年度81.8%)となっています。
申告漏れ課税価格は3,295億円(平成27事務年度3,004億円)で実地調査1件当たりでは2,720万円(平成27事務年度2,517万円)となっています。
申告漏れ財産の金額の内訳は、現金・預貯金等1,070億円(平成27事務年度1,036億円)が最も多く、続いて有価証券535億円(平成27事務年度364億円)、土地383億円(平成27事務年度410億円)の順となっています。
追徴税額(加算税を含む)は716億円(平成27事務年度583億円)で実地調査1件当りでは591万円(平成27事務年度489万円)となっています。
年度 |
平成27事務年度 |
平成28事務年度 対前事務年度比 |
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項目 | |||||
① | 実地調査件数 | 11,935件 | 12,116件 | 101.5% | |
② | 申告漏れ等の非違件数 | 9,761件 | 9,930件 | 101.7% | |
③ | 非違割合(②/①) | 81.8% | 82.0% | 0.2pt | |
④ | 重加算税付加件数 | 1,250件 | 1,300件 | 104.0% | |
⑤ | 重加算税付加割合(④/②) | 12.8% | 13.1% | 0.3pt | |
⑥ | 申告漏れ課税価格 | 3,004億円 | 3,295億円 | 109.7% | |
⑦ | ⑥のうち重加算税付加対象 | 458億円 | 540億円 | 117.7% | |
⑧ |
追徴税額 |
本税 | 503億円 | 616億円 | 122.3% |
⑨ | 加算税 | 80億円 | 101億円 | 125.6% | |
⑩ | 合計 | 583億円 | 716億円 | 122.8% | |
⑪ | 実地調査
1件当り |
申告漏れ課税価格 | 2,517万円 | 2,720万円 | 108.0% |
⑫ | 追徴税額 | 489万円 | 591万円 | 121.0% |
- 平成26年中に亡くなられた方 約127万人、内相続税の課税対象となった方 6万人
また、同時に海外資産関連事案に係る調査事績及び無申告事案に係る調査事績についても公表しており、海外資産関連に係る実地調査件数、申告漏れ課税価格、無申告事案に係る実地調査件数、申告漏れ課税価格等も平成27事務年度と比べて増加しています。
(水田 裕之)