江東区亀戸の税理士|ひろしま会計グループ

0120-58-2571営業時間:9:00~18:00(土日祝除く)

ひろしま会計グループ

インセンティブ給与制度を導入する上での注意点

スタッフのモチベーションを上げるためにインセンティブ給与制度(成果型報酬制度)を導入して会社の「稼ぐ力」の向上に繋げたいというご相談をよく受けます。営業職や接客業務(美容サービス業、飲食接客サービス業など)の担当者を対象にして試行錯誤しながら実践導入している経営者が多いようです。以下にインセンティブ給与制度のメリットとデメリットを整理してみましたので、導入を検討する場合に、参考としていただければ幸いと存じます。

  • メリット

①結果と報酬が明確になる(スタッフは結果の数字からいくら貰えるのか計算できる)

②人件費が変動費化するため過負荷にならない

③一時的ではあるが刺激になり、それが活動エネルギーとなる

④会社に残る人と辞める人との自然淘汰がなされる(数字を上げられないと辞めていく)

⑤年功序列から脱却が即可能

  • デメリット

①経営理念や経営方針の浸透・伝達がしにくい

②コンプライアンスの低下(強引な売り込み、伝票操作、自己購入などの不正の横行)

③退職しやすい(雇用の引っ張りはほぼ不可能)

④組織的な成果より個人的成果の追求となる

⑤スタッフ個人に裁量権を与えているため、スタッフ教育が不十分になりがちとなる

⑥同業他社からの引き抜きや同業他社への転職が心配の種となる

総合するとスタッフの年齢や職種を勘案した上で、長期勤務は奨励せずに短期間による成果を奨励する組織風土の会社の場合には有効な制度・手段なのかもしれません。

2016年11月2日号(Vol.591)の繰り返しになりますが、人は「パンのみに生きるにあらず」であり、お金だけのために働いているのでありません。物質的・金銭的報酬欲求(欠乏動機)にのみ応じるのではなく、実存・成長動機である仕事の遣り甲斐、達成感、仕事の面白さ、人間関係(上司・同僚からの称賛)、顧客からの感謝、職場環境、勤務の柔軟性などお金には換算できない精神的充実にも金銭的報酬と同じかそれ以上の大切な可能性があるということは覚えておいた方がよさそうです。今話題のスタッフの働き方や給与体系を考え直す際も、組織の成功循環モデルにおけるグッドサイクルを念頭に置いた方がよさそうです。人間関係の質→働く人の思考の質→結果の質という順番が大切です。自社で働く人の思考の質(=エネルギーや喜びを生む源泉)を高めるためにはどうしたらよいでしょうか。スタッフ全員が会社のビジョン策定や目標設定に対して自由闊達に対話し参画することで人間関係の質、思考の質を高めている先進的な会社もあると聞いています。

税理士 久保 康高

初回相談無料 メールでのご相談お申込みはこちら

無料相談受付中