「iDeCo」は、任意で申し込むことにより公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金のひとつです。国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための手助けとなります。60歳までの間に毎月一定の掛金を拠出し、その掛金で投資信託や保険等の金融商品を選んで運用し、60歳以降に運用した資産を受取るというものです。平成29年1月から公的年金制度に加入している60歳未満の全ての方が加入できるようになりました。
iDeCo(イデコ)のメリット
①掛金が全額所得控除
iDeCo(イデコ)で積み立てた掛金が全額所得控除され、所得税・住民税の負担が少なくなります。掛金が毎月20,000円で、その方の所得税率が20%、住民税率が10%と仮定すると、年間72,000円節税となります。
②運用益も非課税で再投資
通常、投資信託で得られた売却益や分配金等には20.315%の所得税等の税金がかりますが、iDeCo(イデコ)では運用期間中に得られた利益に税金はかかりません。また、得られた利益から税金が差し引かれることなく、そのまま運用に回せることができます。
③受取る時も大きな控除
運用した資産は60歳から70歳までの間に「一時金」「年金」「一時金と年金の両方」の3つのいずれかの形式で受取ることになり、「一時金」の形式で受け取れば「退職所得控除」が、年金の形式で受け取れば「公的年金等控除」が受けられ所得税が安くなります。
④月額5,000円から始められる
iDeCo(イデコ)の掛金は毎月5,000円以上と定められており、1,000円刻みで金額を設定できます。自営業者は月額68,000円まで、専業主婦(夫)は月額23,000円まで、公務員は月額12,000円まで、会社員は勤務先に企業年金(企業が会社員に対して年金を支給する制度)がない社員の場合、月額23,000円まで、勤務先が企業型確定拠出年金(企業が掛金を出して、会社員が運用するタイプの企業年金)に加入している会社員の場合、月額20,000円が上限となります。また、掛金額は、年一回変更できます。
iDeCo(イデコ)のデメリット
①60歳まで運用中の資産を引き出せない
iDeCo(イデコ)の最大のデメリットは60歳になるまで積み立てた資産を引き出せないことです。また、途中で解約することも原則認められていません。iDeCo(イデコ)を始めるには「老後資金以外では使わない」という覚悟が必要です。
②口座開設、維持に手数料がかかる
iDeCo(イデコ)に加入する時に最低でも2,777円、国民年金基金連合会等への手数料月額167円、運営管理機関手数料0円~数百円を支払います。
(伊藤 淳二)