巷に溢れている経営に関する情報(儲け話)は、有名な大企業の話ばかりで真似できないと思われた経験はおアリではないでしょうか。また「儲かっている業種は何ですか?」「儲かっている会社は何をやっていますか?」というご質問を受けますが、答えたところで真似できないといった経営者との雑談が日常的にあります。儲ける上で大事なことは「気付くことができる」→「考えてビジネスモデルを作ることができる」であり、後者の段階が圧倒的に難しく起業家としての能力が必要となってきます。そこで本号ではビジネスモデルを作ることができる中小・零細企業・個人事業主向けに「弱者の正しい勝ち方」について書かれたケーススタディ付きの書籍をご紹介いたします。
『小さな会社の稼ぐ技術』栢野克己著:日経BP社
弱者の戦略の大前提となる経営の8大項目を列挙し、弱者の戦略の4大戦略についてご紹介いたします。
[経営の8大項目]
①商品(何を)
②地域(どこの)
③客層(誰に)
④営業(どうやって新規顧客をつくるか)
⑤顧客(リピート・ファン・信者づくり)
⑥組織(人事・研修・やる気・活気なども含む)
⑦資金(資金調達と配分)
⑧時間(働く時間、働き方)
[弱者の4大基本戦略]
①差別化 弱者は、強い会社と違うことをする
②小さな1位 弱者は、小規模1位、部分1位。何かで1位
③一点集中 弱者は、あれこれしない。1つに絞る
④接近戦 弱者は、エンドユーザーに直接営業する
この書籍を読むと、日々繰り返す目先の行動(=戦術)だけでなく、戦略を見直し、会社全体の経営を深く考える戦略立案のきっかけとなります。この8大項目を4大戦略に従ってA4の紙1枚に事業計画書としてまとめてみるのも面白いと思います。知行合一という言葉をご存知でしょうか。知る(気付く)ことは行為の始めであり、行為は知る(気付く)ことの完成である。行動を伴わない知識(気付き)は未完成(浅い気付き)であるという意味です。当社では「社外経営スタッフ制度」という経営の仕事の中でも特に売上アップに焦点をあてた経営サポートのご提供しており、そのスタッフが知行合一の伴走者役を担います。ニーズに応じて個別型、集合型のサポートがございますので、ご興味のある経営者・経営幹部の方は各担当者にご相談ください。
税理士 久保 康高