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「働き方改革」に対して中小企業が具体的に取り組む方向性について

巷で話題の働き方改革に対して法整備面では残業時間の削減を目指す「量」の対策が一巡しましたが、経営者目線でいくと量を制約された上でいかにしてスタッフの労働生産性を上げるかという「質」面での取り組みが重要です。2017年4月12号【vol.613】にて人手不足の環境下で労働生産性を上げる方法をご紹介しているので併せてご参照ください。昨今、経営者と働き方改革のことについて話題になることが多くなってきているのですが、どこから手を付けていいのか分からないといった暗中模索の状況の経営者がほとんどでした。そこで今号は、法制度とは別に取り組みの切り口として4つに整理してみました。

1.組織風土と役員・スタッフ・顧客の意識改革(ソフト面)

2.組織の仕組みの改革(ソフト面)

3.業務システムの改革(ハード面)

4.社長の中の人事評価の改革(ソフト面)

以下、順に解説していきます。

1.組織風土と役員・スタッフ・顧客の意識改革(ソフト面)

社会が長時間労働による非効率な働き方を許さないという時流になっていくとの理解を共有し、残業して仕事をすることは悪であるという組織風土を作り上げていく必要があります。またそのようなことに取り組んでいると顧客に伝えることが顧客の意識改革にも繋がります。またスタッフに対しては仕事と作業の違いを理解・浸透させることが重要です。ここで作業とは「目的がなく言われたこと、指示されたことをただ実行しているだけの状態」とイメージしています。それに対して仕事とは「任せられた業務の目的(価値を届ける相手)を把握・理解してより良くできないか?より速くできないか?などを考え創意工夫しながらやるもの」とイメージしています。残業は当たり前、夜遅くまで頑張っているという感覚、間違った達成感を撲滅する必要があります。

2.組織の仕組みの改革(ソフト面)

労働生産性・人時生産性は、付加価値(粗利・成果)÷総労働時間で表すことができます。粗利・成果を維持・向上させながら、総労働時間を減らすことでしか生産性を上げることはできません。そこで、顧客の質の見極め、仕事の取り方、処理の流れ・やり方などを疑ってかかる必要があります。

3.業務システムの改革(ハード面)

一般的にはITシステム・AIの更なる活用のことです。上記1・2をソフト面の改革とすると、こちらは日進月歩なハード面の改革をする必要があります。

4.社長の中の人事評価の改革(ソフト面)

残業代が減って良い思いをするのは会社だけというスタッフの冷ややかな反応をかわすため、仕事を評価し作業は評価しない、粗利(成果)を上げながら、総労働時間を減らしたスタッフを高く評価する必要があります。

昨今の補助金・助成金の受給には、労働生産性を上げると補助額が増額されることから取り組む誘因ともなっていますが、自社の業種・職種・個人の仕事観・人材育成を考慮の上、労働生産性向上改革の実行糸口としてみてはいかがでしょうか。

税理士 久保 康高

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