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中小企業のIT活用状況

中小企業基盤整備機構が平成30年2月に発表した「中小企業の生産性向上に関するアンケートの調査報告」のうち、中小企業のIT活用状況について見てみよう。

調査結果から、中小企業の現状でのIT活用状況をまとめると、下表のとおりである。

全体では売上金の会計処理や給与の事務処理などにパソコンや市販ソフトを活用している割合が最も高く、36.7%となっている。次いで自社のホームページを有し、問い合わせや受注につなげている割合が高くなっている。クラウドサービスの利用は12%程度にとどまっている。

活用状況を業種別にみると、パソコンや市販ソフトを活用している割合が最も高いのは建設業で、自社ホームページを有し、問い合わせや受注につなげている割合と、生産管理やマーケティングにITを活用している割合は製造業が最も高くなった。クラウドサービスの利用割合が高いのはサービス業で、電子商取引を行っている割合が最も高いのは小売業という状況である。

現在の業務上でのITの活用状況(複数回答、%)

  全体 製造業 建設業 卸売業 小売業 サービス業
売上金の会計処理や給与の事務処理などパソコンや市販ソフトを活用している  

36.7

 

31.9

 

43.2

 

39.0

 

36.3

 

39.1

自社のホームページを有し、問合せや受注につなげている  

25.2

 

29.4

 

16.7

 

22.0

 

24.2

 

25.2

生産管理やマーケティングにIT(市販ソフトを含む)を活用している  

11.9

 

18.1

 

6.1

 

8.2

 

11.3

 

8・9

クラウドサービスを利用してデータの管理運用などを行っている  

11.5

 

7.6

 

11.4

 

13.8

 

8.1

 

18.1

電子商取引(EC)を行っている 8.7 10.6 5.3 12.6 14.5 5.5
ITはほとんど活用していない 6.0 2.4 17.4 4.4 5.6 3.2

※独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業の生産性向上に関するアンケート調査」より作成

注目すべきは、AI、IoT、ロボットの導入状況の調査では、成長企業(売上増&従業員増の企業)の56.3%が積極的で、①既に導入している(12.1%) ②導入を予定または検討している(44.2%)でした。

生産性を高めるため、あるいは売上拡大を図るためなど経営にとってITの活用は効果的である。但し、その導入に当っては、既存業務、社内外の情報の流れなどを十分に検討して導入目的を明確にすることが大切である。

税理士 廣島 清量

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