中小企業庁が発表している小規模企業白書(2016年版)によると、約325万者(法人・個人事業者)を占める小規模事業者のうち、53%(法人は64%、個人事業者は43.9%)が経営計画を作成しており、47%は作成したことがないことが分かります。
経営計画を作成した背景や動機については、「業績を向上させたいから」が58.1%、「経営状態を正しく知りたかったから」が49.9%、「自社の強みや弱みを知りたかったから」が46.8%と自発的な回答が多く見られます(複数回答可)。
注目すべきは経営計画の作成の有無と売上高の傾向で以下のような相関関係になっていることです。
売 上 高 | 増加 | 横ばい | 減少 |
全 体 | 27.50% | 44.30% | 28.10% |
作成したことがある | 34.00% | 42.30% | 23.70% |
作成したことがない | 20.20% | 46.60% | 33.20% |
経営計画を作成するメリットは明らかですので、作成した経験のない経営者の方々も弊社のような経営革新等支援機関のアドバイスを受けながら経営計画の策定に挑戦してみてはいかがでしょうか。特に願望は強いが意志が弱いと感じている経営者の方々には、計画の立案だけでなく達成管理の仕組み作りまでお手伝いさせて頂きます。「計画など大袈裟なものは不要」「効果に懐疑的」「どのように作成したら良いか分からない」と思われている経営者の方々は、機会の確保・計画の質・作成プロセスに問題があるのではないでしょうか。結果が出ない時もありますが、経営判断の誤りを修正して成功確率を上げていこうとする姿勢が大切です。実際に作成された経営者様へのインタビューでは、経営に向き合う機会を設けて「学んだ」「気付いた」「理解した」ことなどを書いて思考することを通じて視座が高まったとおっしゃられています。社長様お一人でこのことを継続できる強い意志があればよいのですが、サポートがあるとより定期的に継続しやすいのではないでしょうか。
取り組んだ結果として、税制面では、固定資産税が3年間1/2に軽減されたり、法人税(個人事業主の場合は所得税)について即時償却または取得価額の10%の税額控除が選択適用になることがあります。資金調達面では設備資金について日本政策金融公庫からの融資について0.9%引き下げの優遇を受けることが可能になります。
経営計画策定には、経営改善や経営力向上という本来のメリット以外にも内容によっては補助金の受給のおまけが伴うこともありますので、策定過程でスタッフにご相談ください。
税理士 久保 康高