来年2019年10月より消費税が10%に引上げられることは確実となりました。飲食料品や新聞などは8%の軽減税率が適用され、消費の形態によって同じ飲食料品でも8%適用のもの10%適用のものもあるなと、その複雑さが話題になっています。
1989年4月1日に導入された消費税、現在の税率は8%ですが、その内訳は国税の消費税(6.3%)地方税の地方消費税(1.7%)となっています。
消費税は、日本国内において行われる全ての商取引やサービスに対して課税されるイメージですが、以下のような一定の取引については課税されないものがあります。
1)不課税取引(主なもの)
消費税は、「国内」において「事業者」が「事業」として「対価」を得て行う「資産の譲渡や貸付」、「役務の提供」が課税の対象になります。
従って次のような取引は課税の対象となりません。
①給与・賃金・・・雇用契約に基づく労働の対価であり、「事業」として行う役務の提供ではない
②寄附金、祝金、見舞金、補助金等・・・「対価」の支払いがない
③保険金や共済金・・・資産の譲渡等の対価といえない
④株式の配当金やその他の出資分配金・・・株主や出資者の地位に基づいての支払
2)非課税取引(主なもの)
前述した、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。
①土地(借地権を含む)の譲渡および貸付・・・但し、1カ月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税とはならない
②有価証券(国債や株券、金銭債権など)の譲渡・・・但し、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税とはならない
③印紙、切手、商品券の譲渡・・・但し、金券ショップで購入した印紙や小切手などは課税され、商品券は購入したときは非課税ですが、物品を交換した時点で課税となる
④社会保険医療の給付等・・・美容整形、差額ベット代や市販の医薬品は課税です
⑤介護保険サービスの提供・・・利用者の選択による送迎などの対価は課税です
⑥助産・・・医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供
⑦学校教育・・・学校教育法に規定する学校、専修学校などの授業料入学検定料など
⑧住宅の貸付け・・・契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限定
3)輸出取引の免税
内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものです。輸出免税を受けるためには、輸出取引等であることの証明が必要です。
税理士 廣島 清量