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平成30年分 年末調整各種申告書の書き方や添付書類について

今年も残すところ、あとわずかとなりました。皆様の所には、毎年恒例の年末調整の書類が届いていることと思います。

今年から用紙が1枚新たに加わり、それに伴って書き方が若干変わっておりますので、初めて見る様式に戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。変更された理由としましては、配偶者(特別)控除の計算がこれまでと比べて複雑になった事が原因です。配偶者(特別)控除の適用を受けようとする本人の所得を3段階に、さらには配偶者の所得も11段階に細分して控除額を計算する仕組みになっています。

少し細かいお話をしますと、この「所得」という言葉は、「収入」とは意味が異なります。給与所得者の場合ですと、「収入」とはいわゆる「年収」の事であり、一方で「所得」とは年収から「給与所得控除額」を差し引いた後の金額を指します。会社に例えると「収入とは売上」、「給与所得控除額とは費用」、「所得とは利益」の様なイメージです。用紙の裏面に、所得を求める為の計算式が記載されておりますので、配偶者の年収を当てはめて計算すれば所得が計算できるようになっています。

さて、年末調整手続きには、上記の扶養関連の書類とは別にもう1つ、保険料に関する書類がセットになっています。ご本人が負担されている生命保険や医療保険、個人年金保険料や地震保険に関する控除証明書を毎年ご準備いただいていると思います。この控除証明書ですが、平成29年までは保険会社等が発行する「控除証明書」を添付して提出又は提示する必要がありました。平成30年分からはこの証明書の他に、「証明書に記載すべき事項を記録した電子証明書等に係る電磁的記録印刷書面」の添付でも可能となりました。

証明記録をデータでやり取りする事が可能となる事で、発行元の保険会社等にとって、ゆくゆくは事務負担や発送費のコスト低減が図れる一方で、受け取る側としては証明書の紛失リスクがなくなるメリットがあります。証明書の書式は様々ですが、ハガキサイズの証明書ですと誤って破棄してしまうという事もしばしばありました。電子データであれば、保険会社等から指定のアドレス宛に送られてきたデータを利用できますので、そういったリスクはなくなる事が期待されます。

取得から提出までの流れにつきましては、請求先によって若干方法は異なるかもしれませんが、まずは保険会社の専用受付画面にて発行依頼  指定のEメールアドレスにて証明書データを受信  国税庁HPにて「QRコード付控除証明書作成システム」を使ってQRコードの印字された証明書を作成及び印刷  会社へ提出となります。

ちなみに年末調整の話ではありませんが、個人の確定申告を書面提出ではなくe-Tax上で電子申告している場合には、この証明書データをそのまま添付書類としてオンライン送信することができるようになっています。

(斎藤 勝)

 

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