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働き方改革関連法案  第3回 フレックスタイム制(清算期間の延長)

◆改正前のフレックスタイム制とは

1ヶ月を上限とする一定期間内(この期間を清算期間と呼びます)の総労働時間を予め定めておき、労働者はその範囲内で各労働日の労働時間を自主的に決定して働く制度です。

導入に当たっては、以下の基本的なルールを守っていただく必要があります。

1.就業規則等に、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねることを定めます。

2.労使協定で制度の基本的枠組みを定めます。

①対象となる労働者の範囲

②清算期間 (改正前は、1ヶ月が上限でした。)

③清算期間における総労働時間

④標準となる1日の労働時間

⑤コアタイム( 必ず働く必要のある時間)  任意

⑥フレキシブルタイム(会社が働いてもいい時間に制限をかける場合の、労働者が自分の判断で労働することができる時間帯のこと。

例;深夜の就労を禁止する場合、フレキシブルタイムは午前5時から午後10時までとなります。) 任意

フレックスタイム制を導入した場合には、清算期間における実際の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総枠(※)を超えた時間数が時間外労働となります。

※総枠 清算期間が1か月とした場合、清算期間の暦日数により以下の通り

31日:177.1時間   30日:171.4時間  28日:160時間

計算式:清算期間における総労働時間≦(清算期間の暦日数)÷7日×40時間

◆改正後のフレックスタイム制は(2019年4月より)

1清算期間の上限が「3か月」に延長されます。

2.清算期間が1か月を超える場合には、清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えないことに加え、1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないことが必要です。

3.清算期間が1か月を超える場合には、労使協定の届出が必要です。

・これに違反すると罰則(30万円以下の罰金)が科せられることがあります。

・清算期間が1か月以内の場合には届出は不要です。

フレックスタイム制の導入により、従業員にとっては、育児・介護との両立が可能になったり、通勤ラッシュを避けられたりとメリットも多いのですが、勤怠管理も従来の1カ月ごとの集計だけでなく、週ごとの清算、複数月にまたがっての清算となるため、管理部門の負担が増大します。導入にあたっては、本当に1か月を超える清算期間にする必要があるのか、慎重に検討が必要です。

社会保険労務士 神山 真由美

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