中小企業の事業承継を支援する機関として東京商工会議所に開設されている「東京都事業引継ぎ支援センター（経済産業省委託事業）」の2018年度（2018年4月～2019年3月）相談実績が公表されました。2018年度の相談実績は、新規相談者数が1,147社（前期比31％増）、2回目以降の相談者も含めた総相談件数が1,642件（同24％増）、成約件数が61件（同11％増）と、3年連続でいずれも過去最多の実績となっております。3年前と比較すると相談件数、成約件数共に約2倍となっております。
このように国を挙げて事業承継の支援に力を入れている一方で、民間では事業承継（M&A）を支援するインターネット上のマッチングサイトが乱立・急増しており、中小企業経営者にも認知されつつあります。今回はそのマッチングサイトの中でも老舗且つ利便性の高いサイトに絞って、特徴・成功報酬体系と選定ポイントを簡単にご紹介させて頂きます。
| サービス名 | Batonz | SMART | Tranbi |
| 特徴 | 1991年に創業した国内トップクラスの実績を持つ東証１部上場の㈱日本M&Aセンターが運営するプラットフォームサイト。
全国75の金融機関、732会計事務所との提携により幅広いネットワークと情報量が強み。売主の売上規模2億円以下の企業を多く掲載。 |
1999年に公認会計士が主体となって設立された㈱ストライクが運営する日本で最初のM&Aマッチングサイト。金融機関、会計事務所との提携あり。再生型M&Aを得意とする。 | 2011年にサービス開始のプラットフォームサイト。サイト上では仲介のみで成約までのフルサポートはなし。売上規模500～1,000万円の小規模案件も多いので、起業したいサラリーマン向き。 |
| 成功報酬 | 買主側が専門家にサポートを依頼せずに成約した場合は、譲受金額の5％または25万円のいずれか高い方。
専門家にサポートを依頼した場合は、対象資産額の1～5％（レーマン方式）。 |
対象資産額の1～5％（レーマン方式）。
専門家への相談料は着手金100～300万円が目安。 |
売主側は、無料（成約の報告義務はあり）。買主側は、成約価額の3％。相談する場合は、最低報酬100万円。 |
※レーマン方式は、取引金額が低ければ低いほど料率が高くなります。
利用する際の選定ポイントとしては、情報量が多くサポート経験と成約実績がきちんとあるサイトで報酬体系が明確になっているかどうか。物の売買とは違いリスクも多いので親身に相談にのってくれ、人生観・価値観・思い入れなどの心情を理解してくれる専門家がいるかどうかを基準にするとよいのではないでしょうか。弊社の監査担当者は全員がM&Aシニアエキスパートの資格を有し、ビジネスモデルを理解した上で親身に対応しておりますので、ご興味のある経営者の方は各担当者までお気軽にご相談ください。
税理士 久保 康高
