令和元年10月1日の消費税率の引き上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方々にとって最大の懸念事項の一つです。消費税の転嫁を拒否する等の行為は、消費税転嫁対策特別措置法に基づき禁止されています。このため、経済産業省は、消費税の転嫁対策に万全を期すことを目的として、以前より、省内及び各経済産業局等に「消費税転嫁対策室」を設置し、各室に転嫁対策調査官の配置をしております。転嫁対策調査官は、消費税転嫁に悩む全国の事業者の皆様の声を拾い上げ、厳正に取締りを行っています。「消費税転嫁対策室」では、消費税の転嫁に係る取引上のお悩み等について、電話または直接お会いして相談を受け付けます。相談された方の秘密は厳守されます。
消費税の転嫁拒否等でお悩みの事業者の方は相談してみてください。連絡先は下記の通りです。どちらの窓口も利用できます。
1.政府共通の相談窓口
消費税価格転嫁等総合相談センター 専用ダイヤル0120-200-040 0570-200-123
平日9:00~17:00(土日祝日・年末年始を除く、令和元年10月は、土日祝日も受付)
2.経済産業省・中小企業庁の相談窓口
消費税転嫁対策室 所在地 東京都千代田区霞が関1-3-1
電話番号03-3501-1502 03-3501-1503 FAX番号03-3501-1505
消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合は、政府等による取締りの対象となります。
特定事業者(買い手)が減額・買いたたきなどの消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、指導、助言、勧告、公表等の取締りが行われます。
違反行為に対する指導内容
①転嫁を拒否した消費税額分を支払うこと
②遡及的に消費税引上げ分を対価に反映させること
③転嫁と引き換えに購入させた商品を引き取り、商品の代金を返還すること
④特定供給事業者(売り手)が従業員を派遣したことにより受けた利益を返還すること
⑤消費税を含まない価格で価格交渉を行うこと
⑥指導に基づいて採った措置を特定供給事業者(売り手)に周知すること
⑦今後、転嫁拒否等の行為を繰り返さないこと・・・など
違反行為に対しては、上記のように「転嫁を拒否した消費税額分を支払う」といった是正のための指導・助言が行われます。悪質な事例については「社名の公表」などの厳しい措置が下されます。
(伊藤 淳二)