平成30年分(平成31年3月15日期限)の確定申告からスマートフォンでも確定申告手続きが出来るようになりました。しかし、現実には、1か所からのみの給与を受給している、給与所得以外の所得がない、勤務先で年末調整が済んでいるような場合にサラリーマンが医療費控除や寄付金控除(ふるさと納税)を適用するためだけにしか利用出来ず、大変使い勝手が悪かったのですが、これが令和元年分(令和2年3月16日期限)の確定申告から以下のように利用できる申告内容が増えることが予定されています(令和2年1月6日スタート)。
①収入
給与所得(年末調整済1か所、年末調整未済、2か所以上に対応)
公的年金、その他雑所得に対応
一時所得に対応
②所得控除
全ての所得控除に対応
③税額控除
政党等寄付金等特別控除、災害減免額に対応
④その他
予定納税額、本年分で差し引く繰越損失額、財産債務調書(案内のみ)に対応
また、所得控除に関しても、年調未済者が対象となることから、すべての所得控除で利用可能となる他、税額控除に「災害減免額」があることから、昨今増えている災害による被災者が雑損控除、あるいは税額控除(災害減免額)を利用するために確定申告を行う際にも、スマホでの利用が可能となるようです。
●スマートフォンでの電子申告について
マイナンバーカードの電子証明書を活用して、e-TaxをID・パスワードなしで使えるようになります。
平成30年分(平成31年3月15日期限)をスマホ画面から確定申告を行うには、次の手続きが必要でした。
事前準備として①e-Taxの開始届出書の提出 ②e-TaxのID・パスワードの受領
申告時には、e-TaxのID・パスワード入力
しかし、令和元年分(令和2年3月16日期限)からは、マイナンバーカード方式の導入により、事前準備や申告時のID・パスワード入力を省略出来ます。
「マイナンバーカード」と「マイナンバーカード対応スマートフォン」をお持ちの方は、e-Taxで送信出来ます。これは、スマホをICカードリーダライタとして利用するものです。引き続き、以前からのID・パスワード方式も利用可能です。
(伊藤 淳二)