令和元年の台風15号・19号による記録的な風水害により首都圏では多数の被災報告がされました。 災害等により住宅や家財などに損害を受けた場合は、確定申告を行う際に①所得税法による雑損控除、 ②災害減免法による所得税の軽減免除のどちらか有利な方法を選択し、所得税の全部または一部を軽減することが可能です。
① 所得税法(雑損控除) | ② 災害減免法 | |
損失の発生原因 | 災害、盗難、横領による損失 | 災害による損失 |
対象となる資産の範囲 | 住宅や家財を含む生活に通常必要な資産 | 住宅又は家財の損失額が、その価額の2分の1以上である場合 |
控除額の計算又は所得税等の軽減額 | 控除額は次の1と2のうち、いずれか多い金額です。
1.損失額-所得金額の10分の1 2.損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
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〇所得金額500万円以下の場合、所得税等全額免除
〇所得金額500万円超750万円以下の場合、所得税等2分の1の軽減 〇所得金額750万円超1,000万円以下の場合、所得税等4分の1の軽減 |
参考事項 | その時の所得金額から控除しきれない金額がある場合には、翌年以後3年間繰り越して各年分の所得金額から控除することが可能です。
災害関連支出に係る領収証の添付、提示が必要です。 |
原則として損害を受けた年分の所得金額が、1,000万円以下の方に限ります。
減免を受けた年の翌年分以降は、減免は受けられません。 |
住民税については、各自治体の条例の規定により減免を受けることとなりますが、共通して必要となる書類は以下の通りです。
- り災証明書(半壊以上と判断されたもの)
- 修理・建替、または買換にかかった費用が分かる領収書等
- 保険金、損害賠償金等により補填される金額が分かるもの
その他にも住宅用家屋が被害を受けた場合に「住宅借入金等特別控除の適用期間の特例」や「住宅取得の際の贈与税に関する特別措置」「源泉所得税の徴収猶予」などの措置もありますので、被災された方で各種税金の軽減免除措置を受けることをご検討の方は各担当者までご相談ください。
税理士 久保 康高