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消費税増税に伴う住宅借入金等特別控除に関する改正

令和元年10月の消費税率の引き上げに伴い、今年の確定申告分より、一部見直しがされていますのでご案内します。基本的な適用要件を簡単ではありますが再確認しておきます。

1)新築又は取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける12月31日まで引き続き居住している

2)適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下である (収入金額ではない)

3)新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、その2分の1以上自己の居住用としている

4)10年以上にわたり分割して返済する新築又は取得のための一定の借入金・債務がある

※建物に対する借入金がないと適用できないので注意が必要

5)居住の用に供した年と前後2年ずつの計5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用がない

※中古住宅の場合には追加要件あり

さて、ここから表題の改正についての内容になります。これまでこの制度による所得税の控除適用期間は10年間、控除税額は住宅ローン等の年末残高の合計額と取得等対価の額のいずれか少ない額に対して1%(限度額40万円)でしたが、令和元年10月の消費税引き上げによる負担緩和措置として期限付きではありますが以下の様に改正がされています。 

令和元年10月から令和2年12月31日までの期間に、居住の用に供した場合の控除適用期間が従来よりも3年間延長され、合計で13年間となります。税額控除額は最初の10年間は従来通りとなりますが、11年目から13年目の3年間は以下の計算式によります。年末残高に対する1%とのいずれか少ない方が限度

税額控除額= ≪住宅取得など対価の額 – 消費税額≫ かける 2% かける 1/3

つまり、取得時当初の税抜き本体価格 × 増加消費税率 × 1/3年分となります。

要するに、増税により取得時に負担した2%分の消費税相当額を、従来のやり方で計算した額を上限として、3年間で所得税から控除しますよ・・という事です。

この3年間という期間についてですが、あまりに長いと減税の効果が長期化し、逆に短すぎると納税額の少ない中低所得者は減税額を控除しきれないといった恐れがあるため、増税分の2%をしっかり控除できる範囲で、かつ、長期になりすぎない様に、3年という期間設定になった背景があるようです。

(斎藤 勝)

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