2020年の中小企業白書・小規模企業白書では「賃上げと利益拡大の両立を図るためには、付加価値の増大が不可欠」と課題を掲げています。
中小企業・小規模企業(以下中小企業等)は価格競争に勝つための体力がないことから付加価値向上戦略が得策であるとされています。
付加価値
企業が新たに付け加えた価値
(=売上高から外部調達費を引いたもの) |
→
付加価値を分配
→ |
人件費
給与・賞与、福利厚生費 |
その他費用
支払利息等、賃借料、租税公課 |
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利益 |
※中小企業白書・小規模企業白書「賃上げと利益拡大の両立を図る」
新型コロナによって企業環境が大きく変わり、すべての企業がスタートラインに立ったことで、中小企業等にとってはチャンス到来、今こそ付加価値向上を図るポジティブ経営を目指すべきかもしれません。
以下、付加価値向上を図る場合に、考えを巡らす切っ掛けとなる視点について、中小企業等が比較的参考としやすい事項を探してみましたので以下に掲げてみました。
●相対価値を高める
・誰が?・いつ?・どこで?・どんな目的で?・・・買うのか?ということ次第で、価値の大きさは変わって行きます。
例えば、・そのエリアに競合がいない・同じニーズを解決しているライバルがいない
・同じ業種がいない・同じ業態がない・同じ品目を扱っているところがない・同じ営業時間帯にやっているところがない・同じ客層を対象とする競合がいない・同じ価値観のライバルがいない・・・といった、特定のケースにおいて競合性の低いところに向けることで相対的な価値が高まります。
●経営資源(人、物、金、ノウハウ、知的財産、情報)をどう活用するか
競合する大手に対し、経営資源の中で、中小企業等が辛うじて対抗できるのは情報活用であり、顧客の潜在ニーズどう探るか、リサーチの方法を徹底的に考えて実行する。
●集中戦略
小規模企業は、大きくなるまでは、既存のモデルの模倣が基本であり、9割は模倣、1割程度は、競合が手を付けていない需要がある、それに集中する。
・客層・地域・時間・サイズ・提供方法・ルール変更による需要増・・等に集中する。
税理士 廣島 清量