東京都は、「稼ぐ東京」の実現を図るべく、変化・変革に正面から向き合い、先端技術を活用して持続的発展を目指す中小企業者等の機械設備等の導入を支援する、新たな支援事業を始めています。
〇対象者 令和3年4月1日現在で、東京都内に登記簿上の本店又は支店があり、2年以上事業を継続している中小企業者等(個人事業主含む)で、すべての業種が対象。
助成対象事業 事業例
競争力強化 | 量産体制の構築、生産工程の改善、自動化、コストダウン、短納期への対応などに必要となる機械設備等を新たに導入 |
DX推進 | IoT、AI、ロボット及びデジタル技術の活用により、機械制御の自動化、物流の効率化、受発注の効率化、24時間稼働の実現などに必要となる機械設備等を新たに導入 |
イノベーション |
都市課題の解決に貢献し、国内外において市場の拡大が期待される9項目(※1)の産業分野において、新商品(役務)の生産・提供、販売(提供)方式の導入などに取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備等を新たに導入 |
後継者チャレンジ | 事業承継を契機として後継者による事業多角化や新たな経営課題の取り組みに必要となる機械設備等を新たに導入 |
(※1)イノベーション事業で取り組むべき9項目とは、①防災、減殺、災害対策分野 ②インフラメンテナンス分野 ③安全・安心の確保分野 ④スポーツ振興・障害者スポーツ分野 ⑤子育て・高齢者・障害者支援分野 ⑥医療・健康分野 ⑦環境・エネルギー分野 ⑧観光・金融都市の実現分野 ⑨交通・物流・サプライチェーン分野
競争力強化事業以外の3つの事業については、従業員一人当たりの付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、年率3%以上向上させる計画であることが必要になります。
〇助成率・助成限度額 各補助事業に最大3分の2以内の助成率であり、助成限度額は最大1億円となっています。
〇助成対象経費 機械装置、器具備品、ソフトウェア
〇第一回目の申請スケジュール
・申請予約期間 2021年5月6日~5月26日 17:00まで
・申請受付 2021年6月1日~6月8日
以降、一次書類審査→二次面接審査→対象者決定→助成事業開始という流れになります。
本事業例は、およそ製造業などをイメージしてもらえると比較的わかりやすい例ばかりなのですが、助成対象者にもある通り、特に業種の制限はありません。例えばですが、どんな業種であっても必ずお客様が存在します。そこには必ず顧客との発注・受注のやり取りがあり、納期があり、請求書の発送や入金管理があります。また、顧客の情報管理も必要になるでしょう。そういった煩雑な業務を効率化するためのシステムを導入し、トラブルの防止・クレームの削減、マーケティングに管理情報をうまく活用するなど、他にも本事業の助成金を利用できる場面が自社にないか検討してみてはいかがでしょうか。
申請書類提出には、事前の申請要約が必要です。申請予約がない場合は、書類提出を受け付けてもらえないので、注意が必要です。第2回の申請受付は年度後半(基準日令和3年10月1日)に実施されることが予定されています。
(斎藤 勝)