事業再構築補助金の第3回公募が7月30日から開始し、受付開始は8月下旬・申請期限は9月21日(火)と発表されました。第3回申請分から枠の新設及び要件の緩和がされておりますので、中小企業に関連する部分に絞ってご紹介致します。
(1)最低賃金枠の創設<他の枠に比べて採択率を優遇>
通常枠に比べて採択率が優遇され、補助率は中小企業者等が3/4(通常枠は2/3)、中堅企業等が2/3(通常1/2)となります。従業員数規模に応じ、補助上限額は最大1,500万円となっております。
従業員規模 | 補助額 |
【従業員数5人以下】 | 100万円~500万円 |
【従業員数6~20人】 | 100万円~1,000万円 |
【従業員数21人以上】 | 100万円~1,500万円 |
〇要件1【最賃売上高等減少要件】
(ア)通常枠の要件に加え、2020年4月以降いずれかの月の売上高が対前年又は対前々年比で30%以上減少していること
(イ)(ア)を満たさない場合には、2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で45%以上減少していること
※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
〇要件2【最低賃金要件】
2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
(2)通常枠の補助限度額の見直し
最低賃金の引上げ負担が大きい従業員数の多い事業者に配慮するため、従業員数が51人以上の場合は、補助上限額を最大8,000万円まで引き上げる(従前は最大6,000万円)。
(3)その他の要件の見直し
①売上要件対象月の拡大
売上高10%減少要件の対象期間を2020年10月以降から2020年4月以降に拡大する。ただし、2020年9月以前を対象月とした場合、2020年10月以降売上高が5%以上減少していることを条件とする。
②売上高10%減少要件の代替緩和
売上高は増加しているものの利益が圧迫され、業況が厳しい事業者を対象とするため、売上高10%減少要件は、付加価値額の減少でも要件を満たすこととする。
③「新規性」の判定の緩和
新たに取り組む事業の「新規性」の判定において「過去に製造等した実績がない」を「コロナ前に製造等した実績がない」に改める。
今回の変更点では、採択率優遇や対象事業者を拡大する内容になっています。なお、最低賃金枠で不採択になった場合は、通常枠で自動的に再審査されます。今後、さらに2回程度の公募が予定されておりますので、十分な準備の上、適切なタイミングで申請してみてはいかがでしょうか。
税理士 久保 康高