個人の所得税の確定申告の申告・納付期限も残り1週間弱となりました。今号では、毎年納税する方に向けて「振替納税」という便利な方法をお知らせいたします。
◆振替納税のメリット
振替納税をすると以下2点のメリットがあります。
〇わざわざ金融機関や税務署の窓口に出向かなくても、金融機関の預貯金口座からの自動振替により納付が完結できる。また予定納税についても適用されます。
〇納付が約1ヶ月延期される。
令和3年分の確定申告の預預金口座からの振替納税日は以下となっております。
・所得税・・・令和4年4月21日(木)
・消費税・・・令和4年4月26日(火)
◆振替納税の注意点
振替納税の利用を開始した場合は、以下3点の注意が必要です。
〇期限後申告や修正申告の場合
期限後申告分と修正申告分については振替納税の適用はありません。
〇預貯金口座の残高不足等の場合
預貯金口座からの振替日に残高不足等により納付ができない場合、確定申告法定期限の翌日から延滞税が発生しますので事前に預貯金残高の確認の必要があります。
令和4年中の延滞税は、以下の通りとなります。
納付期限の翌日から2ヶ月まで:年2.4%
納付期限の翌日から2ヶ月経過以後:年8.7%
〇自宅の転居や事業所の引越により納税地が変更し所轄税務署が変更となる場合
振替納税の利用開始後に自宅の転居や事業所を納税地と指定していて引越により所轄税務署が変更となった場合、振替納税は適用されませんので、変更手続の必要があります。
納税地等の異動により所轄する税務署が変更になった場合には、変更「後」の税務署に新たに口座振替依頼書を提出するか、異動後も継続して振替納税を行う旨を記載した「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を変更「前」の税務署に提出する必要があります。
令和5年10月から運用が開始されるインボイス制度の導入により、個人事業主や不動産収入のある方についても消費税の納税を選択する方が増えると予想されます。毎年確定申告をする必要のある方は振替納税の手続をしておくことをお勧め致します。なお、贈与税については振替納税の適用がありません。
税理士 久保 康高