遺産分割には、現物分割、換価分割、代償分割という3つの方法があります。
1.現物分割
現物分割とは、相続財産を現物のまま誰が相続するのかを決める分割をいいます。
例)
・相続人: 子① 子②
・相続財産: A銀行普通預金 B銀行定期預金 C土地 D有価証券
子①はA銀行普通預金 C土地を相続し
子②はB銀行定期預金 D有価証券を相続するなどの場合
相続の現場では、ほとんどの相続人様は現物分割で遺産を分割されます。
2.換価分割
換価分割とは、相続財産を現金化し、相続人同士でその現金を分割する方法です。
相続財産に不動産が含まれているケースがほとんどです。
3.代償分割
代償分割とは、一人の相続人が特定の財産を相続したことにより、他の相続人より多額の財産を相続してしまった場合に、現金などで代償金を払い、他の相続人の不足を補填する分割です。
例)
・相続人: 子① 子②
・相続財産: A土地5000万円 B銀行預金3000万円
子①はA土地5000万円
子②はB銀行預金3000万円 子①から子②へ代償金1000万円を支払う
これにより、子①と子②の相続分が均等になります。
☆代償分割のメリット
・相続人同士で平等に遺産分割が可能
・不動産を売却せずにそのまま相続することができる
・不動産の共有名義を避けることができる
☆代償分割のデメリット
・代償金はその相続人自身の財産から支払うので代償金を支払う相続人の負担が増加
・不動産の評価額で問題が起こる可能性がある(不動産を代償分割する場合の金額を決めるのは相続人全員の同意が必要。一般的には時価)
代償分割においては、相続人間で代償金の受け渡しが行われますが、遺産分割協議書に代償金についての記載がないと、その金銭の受け渡しが贈与と認定されて贈与税が課される可能性があるので、注意が必要です。
相続診断士 平林 明子