2023年春よりコロナ融資の返済が本格的に始まります。コロナ禍の長期化に伴い、増大する債務に苦しむ中小企業を対象に経済産業省は中小企業支援策の軸足を「追加融資やリスケ」から「返済原資の確保は収益力改善」と位置付け、2022年8月31日に第1回中小企業収益力改善支援研究会の事務局資料を公表しました。
◎支援事業の概要
金融支援を伴う本格的な経営改善の取組が必要な中小企業・小規模事業者を対象として、認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援し、経営改善の取組を促すものです。中小企業・小規模事業者が認定経営革新等支援機関に対し負担する調査・デューデリジェンス(DD)、経営改善計画策定支援に必要となる費用の2/3を中小企業活性化協議会が負担する制度(通常枠は上限200万円)となっております。
◎支援の内容
現状把握(財務DD、事業DD)→計画策定(経営改善計画書)→伴走支援(モニタリング)
<財務DD>
財務諸表のうち貸借対照表を中心に財務数値の分析を行うことにより、実態純資産や債務償還年数等を把握します。また突然の資金繰り不足を回避するために入出金状況を分析し、資金繰りの見通しの把握を行います。財務面を調査するため、状況に応じて顧問税理士と協力しながら進めていきます。
<事業DD>
ビジネスモデルの概略の把握、損益分析を行った上で経営課題や問題点を把握します。損益分析は業種にもよりますが、部門別・店舗別・得意先別等適切なセグメント別に行います。
<経営改善計画書策定>
財務DD、事業DDで把握した情報を基に経営改善計画書の策定を行います。経営課題、問題点に対して具体的にどのように対応していくかを示したアクションプランを策定し、改善効果を把握します。改善効果を反映した将来の売上高や経費、設備投資等を踏まえた上で損益計算書、貸借対照表の数値を試算します。借入金の返済計画は、将来のキャッシュ・フローに基づく返済可能金額を踏まえて検討していきます。
<伴走支援>
経営改善計画書は策定して終わりではなく実行されなければ意味がありません。改善策の実行ができているか、決算期ごとに計画数値と実績数値の比較、計画書で定めたアクションプランの実行状況を確認し、計画策定から3年間を目安に継続的にモニタリングをしていきます。
弊社は、これまで認定経営革新等支援機関として顧問先社長様と一緒に経営計画の策定支援をしてきました。経営支援のご要望がございましたら担当者までご相談ください。
税理士 久保 康高