12月2日、厚生労働省は令和4年第二次補正予算成立を受け、人材開発支援助成金の改正に関するリーフレットを公表しました。補正予算を財源とする改正点は、「事業展開等リスキリング支援コースの新設」「人への投資促進コースの助成率引上げ等」の2つです。今回は「事業展開等リスキリング支援コースの新設」についてお知らせいたします。
◆事業展開等リスキリング支援コース とは
企業の持続的発展のため、新製品の製造や新サービスの提供等により新たな分野に展開する、または、デジタル・グリーンといった成長分野の技術を取り入れ、業務の効率化等を図るため、(1)既存事業にとらわれず、新規事業の立上げ等の事業展開に伴う人材育成、(2)業務の効率化や脱炭素化などに取り組むため、デジタル・グリーン化に対応した人材の育成に取り組む事業主を対象に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を高率助成により支援する制度です。
◆事業展開 とは
企業が、新たな製品を製造したり、新たな商品やサービスを提供することにより、新たな分野に進出する取り組み。このほか、事業や業種の転換や、単に製品の製造方法、商品やサービスの提供方法を変更する場合も事業展開に該当します。
・新商品や新サービスの開発、製造、提供又は販売を開始する
・日本料理店が、フランス料理店を新たに開業する など
◆デジタル・DX化 とは
企業が、デジタル技術を活用して、業務の効率化を図ることや、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する取り組み。
・ITツールの活用や電子契約システムを導入し、社内のペーパーレス化を進めた
・アプリを開発し、顧客が待ち時間を見えるようにした など
◆グリーン・カーボンニュートラル とは
企業が、CO2などの温室効果ガスの削減等を目指し、エネルギーへの理解を深めながら、環境に配慮した材料への変更や設備導入等を通して、企業の付加価値を高めていく取り組み。
・農薬の散布にトラクターを使用していたが、ドローンを導入した
・風力発電機や太陽光パネルを導入した など
◆助成率・助成額(中小企業) 1事業所当たり限度額:一の年度において1億円
・助成率:75% ・賃金助成額(1人1時間当たり):960円
・1人当たり経費助成額限度額 10 時間以上100 時間未満:30万円
100 時間以上200 時間未満:40万円 200時間以上:50万円
社会保険労務士 神山 真由美