12月16日に自民党、公明党は令和5年度税制改正大綱を公表しました。今回は中小企業に関係あるものの中から主なものを紹介します。
【法人課税】
(1)中小企業等の法人税の軽減税率の特例の適用期限を2年延長する。
(2)中小企業投資促進税制について、次の見直しを行った上、適用期限を2年延長する。
対象資産からコインランドリー業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する機械装置でその管理の概ね全部を他の業者に委託するものを除外する。
(3)中小企業者が経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備の対象からコインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外した上、その適用期限を2年延長する。
【消費課税】
(1)適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置
適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、当該課税標準額に対する消費税額に8割を乗じた額とすることにより、納付税額を当該課税標準額に対する消費税額の2割とすることができることとする。
(2)基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除を認める経過措置を講ずる。
(3)売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格請求書の交付義務を免除する。
【納税環境の見直し】
加算税の見直し
無申告加算税の割合(現行15%(納付すべき税額が300万円を超える部分にたいしては20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を30%に引き上げる。※令和6年1月1日以後に法定納期限が到来する国税について適用。
※その他にもNISA拡充、暦年贈与に関する改正、高所得者の税負担率の低下に対する是正などが盛り込まれています。
(水田 裕之)