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社会保険制度の現状と今後の見込みについて

2023年5月30日、厚生労働省より「被用者保険の適用拡大」と題した資料が公表されました。そこには社会保険に関するこれまでの議論をはじめとして、適用範囲を拡大した場合の影響についてまとめられています。社会保険の適用範囲については、いわゆる「106万円の壁」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、現在は従業員数100人超の企業等で働く短時間労働者について適用されており、2024年10月からはこの範囲が従業員数50人超の企業等で働く短時間労働者までが適用対象となることが既に決まっています。

適用対象となる要件について以下おさらいしておきます。

・週の所定労働時間が20時間以上である事

・賃金が月額88,000円以上であること(年収106万円相当)

・勤務期間が2カ月を超えて見込まれている

・学生でないこと

※上記全ての要件を満たす労働者について、社会保険の加入が必要となる

企業側の目線では、この適用拡大に伴う対象企業の対応について「適用する方向」と答えた企業が40.2%となり、そのうちの半数以上が「法律改正で決まったことだから」と回答しているようです。反対に従業員側の目線では、社会保険の適用にならないように就業調整をしている配偶者のいるパート労働者は、全体の21.8%ほどで、その内の半数以上は「配偶者の扶養から外れる事で社保の負担が増大すること」を懸念していることがわかります。

では2025年以降はどうなる可能性があるか?

・週の所定内労働時間20時間未満の労働者への拡大

・企業規模要件の撤廃

・賃金が月58,000円以上 (年収ベースでは70万円前後?)

・第3号被保険者制度の縮小・見直し

・副業や兼業などで事業所単独では適用要件を満たさないが、合算すれば要件を満たす場合の保険制度への適用に向けた検討など

2025年以降の見込みについては、まだまだ議論がされている段階であり決定事項ではありませんが、社会保障費の財源確保の観点からも、遅かれ早かれ何らかの負担増に向けた改正が行われる可能性は高いと考えられます。もちろん、社会保険に加入する事で得られるメリットもあります。しかし、少なからず社会保険の負担を減らす事を前提とした働き方を選択している従業員も一定数いらっしゃると思いますので、近い将来改正が行われる可能性があることは頭の片隅に入れつつ、今後の動向を注視する必要があるかもしれません。

(齋藤 勝)

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