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ひろしま会計グループ

M&Aにおける譲受(買収)側のPMIの活用について

近年、中小企業においても事業の引継ぎの手段の一つとしてM&A(第三者承継)が活用されるようになり増加傾向にあります。また単なる事業の引継ぎとしてではなく中小企業の成長戦略の一環としてM&Aを活用・検討される経営者も増加してきました。

その中でM&Aの目的を実現させ、その効果を最大化するためM&Aの成立後に行われる組織や業務の統合(PMI)を重視する動きが活発になってきています。今号ではこのPMIについてご紹介させて頂きます。

◆PMIとは?

Post Merger Integrationの頭文字を略してPMIと呼ばれています。M&Aの成立後に行われる統合作業・プロセスのことでM&Aの目的を実現させ、統合の効果を最大化するために必要な作業・プロセスと定義付けされています。M&Aの成功とはその成立ではなくM&Aの目的として当初期待されていた効果を実現できるかどうかです。大企業ではPMIの取組が当たり前のように実行されているのですが、中小企業においては経営者一人ではなかなか実行が難しく、その担い手支援者がほとんどいないのが現状です。

◆M&Aをした後に約1年間どうするのか?

PMIの取組は、経営統合→信頼関係構築→業務統合の3つの領域に分類されます。PMIはM&A後に行われるのですが、実際にはM&Aの成立前から事前準備としてPMIの実行を想定しておく必要があります。以下、各領域においての取組の主なポイントと目指すゴールを中小企業庁策定の「中小PMIガイドライン」に沿って箇条書きでご紹介いたします。

〇経営統合・・・異なる経営方針のもとで経営されていた2社の経営の方向性、経営体制、仕組み等の統合を目指す。

・M&Aを通じて自らが達成したいことを、経営の方向性として言語化する。

・経営の方向性を社内外の関係者に説明する。

〇信頼関係構築(対譲渡側経営者・従業員・取引先)・・・組織・組織風土の融合に向けて継続的コミュニケーション(説明会や個別面談)を通じた信頼関係の深化、主要取引先の継続・協力関係構築を目指す。

・譲渡側経営者へ尊敬の念を忘れずに接し、役割・在籍期間等を明確にする。

・譲渡側従業員へM&Aの経緯を「遅滞なく」「全員に」「同時に/等しく/正確」に伝える。

・譲渡側取引先へ主要取引先と関係性を持つ譲渡側の人物からの協力を得る。

〇業務統合・・・引き継ぎ事業の再現性を確認し安定的運営や管理面に関する統合を目指す。

・譲渡側経営者へのヒヤリングを通じて事業の詳細把握(属人化している業務など)をし、改善点について優先順位を付けて対応する。

PMIは基本合意締結前から準備しておいた方が、M&A後の満足感も高く、シナジー効果が発揮され易い傾向があります。今後M&Aをご検討されている経営者の方はPMI伴走支援も含め各担当者までお気軽にご相談ください。

税理士 久保 康高

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