国税庁は令和5年11月1日に令和4事務年度法人税等の申告(課税)事績の概要を公表しました。
1.法人税等
令和4年度における法人税の申告件数は313万件で、その申告所得金額の総額は85兆106億円、申告税額の総額は14兆9,099億円となり、前年度に比べ、それぞれ5兆5,315億円(7.0%)、9,867億円(7.1%)増加し、共に3年連続の増加となりました。 なお、申告所得金額の総額は、過去最高となりました。その他の状況は以下の通りです。
令和3事務年度 | 令和4事務年度 | |||
項目 | 件数等 | 前年対比 | 件数等 | 前年対比 |
黒字申告件数 | 1,093千件 | 103.8% | 1,131千件 | 103.5% |
黒字申告割合 | 35.7% | +0.7 | 36.2% | +0.5 |
黒字申告1件当たり所得金額 | 72,732千円 | 109.2% | 75,181千円 | 103.4% |
申告欠損金額 | 168,427億円 | 71% | 174,295億円 | 103.5% |
赤字申告1件当たり欠損金額 | 8,539千円 | 70.5% | 8,727千円 | 102.2% |
黒字申告件数が増え、所得の総額は過去最高になった一方、申告欠損金額、赤字申告1件当たりの欠損金額が増えていて2極化の方向性がうかがえます。
※令和4事務年度:令和4年4月1日から令和5年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について令和5年7月31日までに申告があったものを取りまとめたもの。
2.源泉所得税等
令和4事務年度における源泉所得税等の税額は21兆8,159億円で、前事務年度に比べ1兆1,240億円(5.4%)増加しました。 主な所得についてみると、給与所得の税額は6,415億円(5.4%)増加し、配当 所得の税額は5,775億円(10.5%)増加しています。なお、源泉所得税等の税額は、過去最高となりました。各項目の状況は以下の通りです。
令和3 | 令和4 | |||
項目 | 税額(億円) | 税額(億円) | 増減(億円) | 前年対比(%) |
給与所得 | 118,850 | 125,264 | 6,415 | 105.4 |
退職所得 | 2760 | 2,760 | 0 | 100.0 |
利子所得等 | 2,766 | 3,360 | 594 | 121.5 |
配当所得 | 55,052 | 60,827 | 5,775 | 110.5 |
上場株等の譲渡所得(特定) | 8,150 | 4,844 | △3,307 | 59.4 |
報酬料金等所得 | 11,767 | 12,277 | 509 | 104.3 |
非居住者等所得 | 7,574 | 8,828 | 1,254 | 116.6 |
合計 | 206,919 | 218,159 | 11,240 | 105.4 |
※令和4年7月1日から令和5年6月30日までに提出のあった徴収高計算書の税額及び税務署長が行った納税告知に係る税額を集計したもの。
(水田 裕之)