江東区亀戸の税理士|ひろしま会計グループ

0120-58-2571営業時間:9:00~18:00(土日祝除く)

ひろしま会計グループ

中小企業の競争戦略とは

企業が存続するためには、多くの競合他社がいるマーケットの中で継続的に利益を獲得し続けていく必要があります。少し学問的な話になりますが、アメリカの経営学者マイケル・ポーターはそんな競争の中で自社が優位な立場を築くためには、コストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略の3つの基本戦略があると提唱しています。

・コストリーダーシップ戦略:業界全体を対象に低価格で優位性を構築する戦略

ただし、単純に価格を下げるだけでは持続的な優位性を築くことはできないため、コストを下げるための手段(大量生産体制の整備や生産性向上など)を持つことが重要。

※規模の大きな企業がとることの多い戦略です。

・差別化戦略:業界全体を対象に他社との差別化を行うことで優位性を構築する戦略

将来的に他社に真似される可能性があるため、常に製品の改良や改善が必要になる。

・集中戦略:業界全体ではなく特定の地域や製品・サービス、顧客に対象を絞り込み、そこに経営資源を集中的に投入していく事で優位性を構築する戦略

※集中戦略は低コストに重点を置いた「コスト集中戦略」と、差別化に重点を置いた「差別化集中戦略」の2つに更に分類することができます。

少し前のデータにはなりますが、中小企業白書2020年版「付加価値の創造に向けた取組 中小企業の競争戦略」によると、上記4つの戦略の中で自社が採用している戦略として近いものを選んでもらうアンケート調査を実施したところ、回答した4,548件の全業種の中で最も多く採用している競争戦略が「差別化集中戦略」となっている一方で、差別化による自社の優位性を自己評価してもらったアンケート結果によると、その半数近くは「差別化に成功しているとは評価していない」と回答しています。半数以上の経営者が、自社のとるべき戦略が地域や商品・サービス、顧客などの対象を絞り込んだ他社との差別化だと認識しながらも、なかなか思うようには実現できていない状況が読み取れます。

差別化できていないと回答する理由は様々あるとは思いますが、まずは自社の顧客がなぜ仕事を依頼してくれるのか?を考えてみると良いかもしれません。そこには何かしらの理由が必ずあるはずです。製品やサービスの品質かもしれませんし、価格かもしれません。それ以外の理由も考えられます。他社が提供していない自社だけの差別化ポイントをいきなり探してもそう簡単に見つかるものではありませんが、もっと身近でシンプルな疑問を深堀していくと、今まで気づかなかった自社の優位性に気がつく事が出来るかもしれません。まずは少し日常業務から離れて、自社についてじっくり考えるための時間を作ってみてはいかがでしょうか。

(齋藤 勝)

初回相談無料 メールでのご相談お申込みはこちら

無料相談受付中