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令和6年度税制改正大綱公表

令和6年度税制改正大綱が公表されました。今回はその中で法人課税(中小企業向け)について抜粋してお知らせします。

①賃上げ促進税制の強化

わが国が、「コストカット型経済」から転換しデフレを完全に脱却するには、企業が収益を現預金等として保有し続けるのでは無く賃金の引上げや前向きな投資、人への投資に積極的に振り向けるなど、供給サイドの構造改革を進め、企業のチャレンジと改革を大胆に後押ししていく必要がある。また、中小企業においては未だその6割が欠損法人となっており、税制措置のインセンティブが必ずしも効かない構造となっている。しかし、わが国の雇用の7割は中小企業が担っており、広く国民の構造的・持続的な賃上げを果たしていく必要がある。こうした認識の下、高物価に負けない構造的・持続的な賃上げの動きをより多くの国民に広げ、効果を深めるため、賃上げ促進税制を強化する。

【具体的な改正内容(中小企業)】

賃上げ促進税制は前事業年度と比較して給与等の支給額が増加した場合に法人税の税額控除を受けることができる制度です。

中小企業向けの措置について、次の見直しを行い、控除限度超過額は5年間の繰り越しができることとした上、その適用期限を3年延長する。

イ 教育訓練費に係る税額控除率の上乗せ措置について要件に「教育訓練費の額が雇用者給与支給額の0.05%以上である場合」を加える(税額控除率10%加算)

ロ 当期が「プラチナくるみん認定」若しくは「プラチナえるぼし認定」を受けている事業年度又は「くるみん認定」若しくは「えるぼし認定(2段階目以上)」を受けた事業年度である場合に税額控除率5%加算する措置を加える

※従来からのベース部分(全雇用者給与支給額の増加割合5%以上の場合15%、 2.5%以上の場合30%の税額控除。法人税額の20%が上限)と併せて最大控除率は給与支給増加額の45%になります。

※繰越税額控除制度は繰越税額控除をする事業年度において雇用者給与等支給額は比較雇用者給与等支給額を超える場合に限り、適用できることとする。

②中小企業倒産防止共済掛金の損金算入の特例について

中小企業倒産防止共済の契約の解除があった後、再度共済契約を締結した場合には、その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する掛金については損金算入の特例の適用ができないこととする。※令和6年10月1日以後の解除から適用。

③交際費の損金不算入制度について次の措置を講じた上その適用期限を3年延長する。

イ 損金不算入とされる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準を1人当たり1万円以下(現行:5,000円以下)に引き上げる。

※令和6年4月1日以後に支出する飲食費について適用

ロ 接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の適用期限を3年延長する。

(水田 裕之)

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