今回は電子帳簿保存法の質問が多かった事項についてQ&A形式によりお知らせします。
Q ECサイトで物品を購入したとき、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、領収書等データをダウンロードすることができる場合に、領収書等データを必ずダウンロードして保存する必要がありますか?(例:amazon、楽天などで商品を購入した場合)
A インターネット上でその領収書等データを確認できることとなった時点が電子取引の授受があったタイミングと考えられます。このため、ECサイト提供事業者が提供するECサイトを利用し物品を購入した場合に、当該ECサイト上で領収書等データの取引情報を確認することができるようになった時点で電子取引の受領があったものとして、電子取引に係る保存義務者(物品の購入者)は、その領収書等データを保存する必要がありますが、当該ECサイト上でその領収書等データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書データをダウンロードして保存していなくても差し支えありません。
Q インターネットバンキングを利用した振込等も電子取引に該当し、振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等が記載されたデータの保存が必要とのことですが、金融機関のオンライン上の通帳や入出金明細等による保存も可能でしょうか?
A インターネットバンキングを利用した振込等に係る取引年月日・金額・振込先名等が記載されたデータについては、そのデータ(又は画面)をダウンロードする又は印刷機能等によってPDFファイルを作成するなどの方法により保存することとしています。そのほか、ご質問のように金融機関のオンライン上の通帳や入出金明細等(以下「オンライン上の通帳等」といいます。)による保存も可能です。この場合において、1件の振込等において振込先が複数あるときは、各振込先・振込金額を確認できる書類等の保存が必要です。なお、オンライン上の通帳等による保存の場合、オンライン上の通帳等の確認が随時可能な状態であるときは、必ずしもオンライン上の通帳等をダウンロードして保存していなくても差し支えありません。
Q わが社では、電子取引の取引情報に係る電磁的記録(電子データ)と書類(紙)が取引において混在しています。電子データ自体の保存は電子帳簿保存法上の保存要件に沿って適切に対応していますが、電子メール等一定の電子データについては、経理事務の便宜のため、書面に印刷してその他の書類と一緒にファイルに綴り整理しています。このような保存方法を採用して問題ないですか?
A ご質問のように電子取引に係る電磁的記録を削除せず、電子帳簿保存法の保存要件に沿って保存した上で、当該電磁的記録を書面に出力し、その他の書類と一緒に整理することは何ら問題ありません。
(伊藤 淳二)