財務省は7月3日に令和5年度(令和5年4月から令和6年3月)一般会計税収の予算額と決算額(概数)を公表しました。
この決算概要によると令和5年度の税収は72兆761億円で、過去最高だった令和4年度の71兆1374億円から9,388億円増加し4年連続で過去最高を更新しました。
主な税目の内訳は以下の通りです。
(単位:億円)
令和4年度決算額 | 令和5年度決算額(概数) | 対昨年度決算額 | ||
源泉所得税 | 187,365 | 180,015 | △7,350 | |
申告所得税 | 37,852 | 40,514 | 2,663 | |
[所得税計] | [225,217] | [220,530] | [△4,687] | |
法人税 | 149,398 | 158,606 | 9,208 | |
相続税 | 29,694 | 35,663 | 5,969 | |
消費税 | 230,793 | 230,923 | 130 | |
酒税 | 11,876 | 11,814 | △62 | |
たばこ税 | 9,567 | 9,591 | 24 | |
揮発油税 | 20,653 | 20,656 | 3 | |
関税 | 10,084 | 9,103 | △981 | |
印紙収入 | 9,821 | 10,124 | 303 | |
その他 | 14,271 | 13,753 | △519 | |
一般会計分計 | 711,374 | 720,761 | 9,388 |
内訳をみると
所得税計は賃上げによる給与所得は増えたものの、配当に関する源泉徴収について改正があったことなどが影響し4,687億円減少し、22兆530億円となっています。
法人税は円安の影響で輸出関連企業を中心に業績が好調だったことから9,208円増加し、15兆8,606億円となっています。
消費税は130億円増加し23兆923億円になっています。インボイス制度の導入や物価高の影響が本格的に出てくるのは令和6年度以降とみられています。
相続税は5,969億円増加し3兆5,663億円となっており前年比20.1%増で税目別の増加率では一番となっています。
所得税(30.6%)、法人税(22.0%)、消費税(32.0%)、相続税(5.0%)の合計は64兆5,722億円で全体の89.6%を占めています。
また、歳出の面で予備費、基礎年金拠出金等への繰り入れ、新型コロナウイルス対策の自治体への助成金などの予算のうち不要となったものが6兆8,910億円あったことも影響し、国債の発行額は補正予算時の見込額から9兆5,000億円減少しています。
(水田 裕之)