小さな会社やスタートアップにとって、目標設定はビジネスの成功を左右する重要なプロセスです。「目標が大切」と耳にするものの、何から始めればいいのか分からない・・そんな方も多いのではないでしょうか?今回は、小規模ビジネスにも役立つ、具体的な目標設定の方法と注意点を掲げてみました。
1)まずは現状を把握する
目標設定の第一歩は、今の状況をしっかりと理解することです。自社の強みや弱み、業界内での立ち位置、競合との違いを明らかにすることで、目標が現実的で、実現に向けて無理のないステップを考えることができます。たとえば、売上や顧客満足度、商品の品質に対して何が課題になっているのか、日々のビジネスからも見つけてみましょう。
2)ビジョンと目標をリンクさせる
小さな会社であればあるほど、ビジネスのビジョンや「会社が目指す方向性」と目標が合致していることが重要です。たとえば「地域に愛されるパン屋になる」というビジョンがあるなら、「地域イベントに出店して地元での知名度を上げ、来店顧客数を前年比15%増やす」など、ビジョンに沿った具体的な目標が望ましいでしょう。
3)「SMART」な目標を設定する
目標設定には「SMART」というフレームワークが役立ちます。
◎Specific(具体的)・・・目標は具体的にします。チーム全体で議論し理解を深め、具体化しましょう。数字や期限を加えると具体的です。
◎Measurable(測定可能)・・・目標達成度を測定できるようにしましょう。進捗が目に見える形だと、達成感が得られやすく、チーム全体のモチベーションも上がります。
◎Achievable(達成可能)・・・高すぎる目標は現実的ではありませんが、低すぎる目標も成長を妨げます。現在のリソースやスタッフ数などを考慮し、手が届くけれどもチャレンジングな目標を設定しましょう。
◎Relevant(関連性がある)・・・目標はビジョンに沿っていることが重要です。たとえば、今すぐには利益を上げられない施策でも、将来の成長や顧客満足度向上に結びつく目標なら価値があります。
◎Time-bound(期限がある)・・・明確な期限を設定すると、達成への緊張感が生まれ、チームの集中力が向上します。「いつまでに」を意識することで進捗管理もしやすくなります。
小さな会社にとって、目標設定はビジネスを成長させるためのエンジンです。社員全員が同じ方向に向かって進むためには、現状を把握し、ビジョンに沿ったSMARTな目標を設定し、進捗確認とフィードバックの仕組みを取り入れましょう。適切な目標設定を行い一歩一歩、目標達成に向けて進んでいきましょう!
税理士 廣島 清量